2020年6月26日(金)
16:50

「解体工事終了」

 昨日、解体工事が終わり本郷のスコスの実店舗販売は終了しました。この場所では2000年からの店舗販売を開始、デフレ、リーマンショック、再デフレ、東日本大震災、建物建替え、高齢化による労働力確保の困難、インフル関係では感染リスクが高い販売員の構図は毎年、毎年の毎度の行事ではありますが、今回の新型コロナや30兆円を超える経済効果が予想されたオリンピックの延期など含めて、様々な外的な荒波がありました。お店という販売のカタチは終了となりますが、ネットの販売は継続します。また再び、景気も良くなり、運営する条件やコストが改善してくることがあれば、再びお店を再開する可能性は考えておりますが、同じような商売をすることはないと思います。

 コロナ禍で、先が見通せずに2割3割何割と売り上げが減ると、地獄のダウンサイジングを始めなければなりません。ダウンサイジングは急ぐと血をみることになりますし、ゆるやかに行うと苦痛は長く(日本企業だいたいコッチが多いかも)長期間にわたります。国内店舗は消費増税後の落ち込みからのコロナ騒動に加えて、7月からはレジ袋有料化で、販売者目線でみると最悪レベルの環境にあると思われます。推進者の大臣は意気揚々とTVで成果を語っておりましたが、声高には言えませんが国内のビニール袋は、ほとんど燃やされていると思うので完全無敵の愚策となって、いつも危機を救ってきた内需はボロボロなので景気に水を差すだけの無意味な出来事になりそうな予感です。そのような世の中に絶望している訳ではありませんが、スコスでは4~5年前からの長期間をかけてダウンサイジングを続けてきましたので、今回のコロナ禍で、最短、最早レベルの撤収に持ち込むことができました。これからは、学生気分に戻った感じで、ゆるく、面白く、発展性の高そうなものを探していきたいと思います。

 スコスのはじまりの頃を思い返すと、96年97年頃ですが、自分たちが輸入文具を始めた頃はオフィスにパソコンが導入されて仕事場での文房具需要が減少する世の中でした。当時、米国にはデポやハイスミスという大手の販売業者があり、そのオフィスデポが格安サプライで日本市場に登場、日本の文具店はどん底にありました。そんな中、私達は皆が見たことのないヨーロッパの文房具をメーカー直で輸入販売するイノベーションを考えて店舗販売を開始しました。もともとは衰退分野ではありましたが、ヨーロッパの文具という新規市場を開拓しながらスコスも市場も成長できたとは思います。

 とりあえず、キレイにスッキリ。本当は閉店パーティーをしたかったのですが、出来なかったことだけが残念。今回の引越し作業では重いものたくさん持ったので、若かりし頃以来の血豆ができた。店内作業中に床に落として消えて、異世界に行ってしまわれたと思っていた養生テープが発見された。異世界への入り口はありませんでした。残念。工事が終了したその日に毎日使っていた日付スタンプの回転させるゴムが切れた。世の中は本当によくできております。意志のないところに道はありません。